気のトレーニング書籍詳細〜続きを読む〜
【はじめに】
世の中の人間を大別すれば、「成功する人」と「成功しない人」に分かれるだろう。

子どものころは神童といわれるほど頭がよく、近所でも評判のよくできる子がいた。大学までは順調に一流コースを進んだのだが、そこから先はだんだんにあやしくなり、大学卒業後、一応、有名会社に入ったものの、いつまでたっても、うだつが上がらない。内気で引っ込み思案な性格と、どことなく弱々しい印象で、仕事ぶりにもイマイチ覇気が感じられない。最近ではどうやらリストラされたらしく、ウィークデイの日中からぶらぶらしている。
そんな人もいれば、反対に、子どものころはガキ大将。近所でも悪ガキで評判だったという人が、いまやベンチャー企業の旗手として、マスコミにも名前が響くほどの成功を収めている。こういう人は概して陽気で元気がいい。

女性でもそうだ。それほど美人でもないのになぜか王の輿にのり、経済的な心配は何もなく、優雅に暮らしている人もいれば、美人だしスタイルも満点なのに、つまらない男にだまされて、生活のために昼も夜も働いているという人もいる。
夫はごく平凡な男、自分も専業主婦だったが、趣味の延長で始めた教室が評判になり、いまでは多くの生徒を抱え、はつらつと働いているという人もいる。

もっと卑近な例をあげよう。こんな事故があった。五人のグループで登山をしていたところ、落石があった。巨大な石が落ちてきたのだ。先頭から三番目、四番目を歩いていた人は、この落石をもろに受けて命を落としてしまった。だが一番目、二番目、五番目の人は傷一つ負わなかった。
どんな隊列を組んで登るか。とくに決まりがあったわけではなく、歩いているうちになんとなく自然に隊列ができていったのだという。三番目、四番目の人に登山の技術がなかったわけではない。ただ運がなかったのだ。

世の中にはやたらついている人もいれば、その反対に、とことんついていない人もいる。ついている人とついていない人の違いは、何だろうか。ついているというのは、いったい何が“ついている”のだろうか。
それを一言で表現したものが「気」である。自分の「気」を知って、それを上手に生かしている人は、やることなすことうまくいき、結果的にはとんとん拍子にコトが進んでいく。
反対に、自分の「気」を知らず、だから、何をやるにしても「気」を生かすことができず、結果的に「気」に反した進め方をしている人は、何をやってもうまくいかない。その連続で、人生は自分が願う方向とは逆の展開になり、泣きを見てしまうのである。

自分の「気」がもっともよくわかる基準となるのが「性格」である。誰にも生まれもった性格がある。これを生かして人生を進めているかいないか。その違いは一〇年、二〇年後には天と地ほども開いてくる。
自分の性格から「気」を知り、それに沿った生き方をしていれば、海の潮が満ちるように自然に、人生は満ち足りたものになってくるはずなのだ。
だが、自分の性格は、とても「成功体質」に通じるものではないという人もいるだろう。しかし、そういう人は、自分の性格の半面しか見ていないことに気づいていないだけなのである。
どんな性格も表側から見れば長所となり、反対側から見れば短所になる。もし自分で短所だと思っているところがあり、そのために失敗をくり返しているなら、その短所を長所に変えてしまえばいいのである。
短所を長所に変えるのは、「気」の込め方をちょっと変えるだけであり、誰でも方法さえ身につけてしまえば簡単にできる。

この本は「気」を上手に使って、自分の性格をよい方向に発揮し、成功体質に変えるためのテキストブックである。テキストブックといっても、むずかしいものにならないように、私の弟子の体験談など身近な例をたくさん盛り込んである。
そうした例を参考にすれば、あなた自身も「気」を上手に使えるようになり、成功しやすい人間に変わっていくはずだ。

不思議なもので、あなたが変わると、家族、恋人や友人など、あなたの身近な人まで変わってくる。「気」とは宇宙に満ちているスーパーパワーであり、それほど大きな力をもっているのである。
私は「気の健康法」を教えているが、「気」の流れがよくなると、血の流れがよくなって健康になる。それと同時に、金の流れもよくなって人生は思うままになっていく。
この本が、あなたの人生を成功路線にのせるために役立てば、著者として、これ以上の幸せはない。

早島 正雄

(クセとしぐさで相手を見抜く術 まえがきより抜粋)